商品基準理念
「農」のあり方から考える
農という漢字は、「曲(きょく)」と「辰(しん)」から成る字だとされています。
「曲」は、
土地を区切り、耕し、場を整えること。
「辰」は、
季節の巡りや天の動きを表し、
種をまく時、手を入れる時を知る“時のしるし”を意味していました。
つまり「農」とは、
自然の時(辰)を読み取りながら、人が手を添えて場を整える(曲)営みを表した字だと考えられています。
古代文字(甲骨文・金文)においても、「農」は、農具を手に、畑や田を耕す人の姿として描かれてきました。
そこに描かれているのは、自然を支配する人ではなく、自然と向き合い、関係を結ぶ人の姿です。
「工」が設計し、管理し、思い通りにつくる営みだとすれば、
「農」は自然の循環を感じ取り、整え、待ち、祈り、育てていく営み。
農は、職業ではなく生き方だった
農とは、
コントロールではなく 共存。効率よりも 循環。成果よりも 継続 を大切にする在り方です。
農は、職業ではなく生き方だった
とくに稲作は、
単なる「生産」ではありませんでした。
・次の年へつなぐために、タネを残すこと
・空や風、水の気配から、天候を読むこと
・水を独占せず、分かち合うこと
・実りに対して、祈り、感謝すること
これらすべてを含めて「農」。
つまり農は、 文化であり、思想であり、共同体を支える基盤でした。
ちきゅうのうたげが大切にする基準
ちきゅうのうたげが扱う商品は、
単に「安全」「無添加」「自然」という条件だけで選ばれるものではありません。
その背景にある
- 自然とどう向き合っているか
- 次の世代へ何を残そうとしているか
- 人と人、土地と人の関係性が保たれているか
そうした “農的な思想”や“生き方”に共鳴できるか” を、
大切な基準のひとつとしています。
だから私たちは、
商品を選ぶとき、つくるとき、届けるとき、
次の問いを、必ず自分たちに投げかけます。
- これは、自然の循環を壊していないか
- これは、生産者の人生をすり減らしていないか
- これは、次の世代に誇って手渡せるものか
- これは、「安いから」「売れるから」だけの理由で選んでいないか
この問いに、胸を張って「はい」と言えないものは、たとえ利益が出ても、
ちきゅうのうたげの商品にはしません。
私たちは、
「正しさ」よりも「誠実さ」を、
「効率」よりも「持続」を、
「今の利益」よりも「未来の尊厳」を選び続ける会社でありたい。
それが、
ちきゅうのうたげが考える “農のあるべき姿”であり、
私たち自身の生き方です。
取り扱い基準
(考え方)
ちきゅうのうたげでは、
農薬や資材の使用について、
一律の数値や細かなルールで管理することを目的としていません。
農業は、土地や気候、作物の特性、その年ごとの自然条件によって状況が大きく異なり、
現場で判断する生産者の経験と技術が、何より重要だと考えているからです。
そのため、
お付き合いが始まった後の農業技術や資材の使い方については、
生産者を信頼し、現場の判断に委ねることを基本としています。
ただし、その前段階として、
ちきゅうのうたげは
「誰と付き合うか」をとても大切にします。
理念や姿勢に共感でき、
長く信頼関係を築いていけると感じた生産者とだけ、
お付き合いをしていきたいと考えています。
以下は、
ちきゅうのうたげが生産者を選ぶ際に大切にしている
5つの取り扱い基準です。
基準01
環境負荷の低減を目指す作り手を優先します
基準02
農産物の品質向上を目指す作り手を優先します
基準03
地域・社会・農業に貢献し、日本の未来を考える作り手を優先します
基準04
食料安全保障と農業の文化的側面を大切にする作り手を優先します
基準05
コミュニケーションを大切にしてくれる作り手を優先します
基準01
環境負荷の低減を目指す作り手を優先します
土や水、周囲の環境への影響を考え、できる限り負荷を減らそうと工夫している作り手を大切にします。
完璧であることよりも、環境に配慮しようとする姿勢を重視します。
基準02
農産物の品質向上を目指す作り手を優先します
収量や効率だけでなく、味や香り、作物本来の力を引き出すことに向き合っている作り手を尊重します。
品質を高めるために、日々試行錯誤を重ねている姿勢を大切にします。
基準03
地域・社会・農業に貢献し、日本の未来を考える作り手を優先します
自分の畑や農場だけでなく、地域や次の世代のことまで視野に入れて農業に向き合っているかどうか。
農業を「仕事」としてだけでなく、社会を支える営みとして捉えている作り手を大切にします。
基準04
食料安全保障と農業の文化的側面を大切にする作り手を優先します
食を自分たちの手で守っていくという意識や、農業が育んできた文化や歴史を大切にする姿勢に共感できるかどうか。
農業を、単なる生産手段ではなく、日本の暮らしや精神性を支えてきた営みとして捉えている作り手を尊重します。
基準05
コミュニケーションを大切にしてくれる作り手を優先します
技術や結果だけでなく、考え方や背景を共有し、対話を重ねていける関係性を大切にします。 資材の使用や栽培・飼育の状況についても、「報告してもらえる」「話してもらえる」そんな信頼関係を築けることを重視します。
農産物栽培基準
基本的な考え方(総論)
ちきゅうのうたげでは、農産物の栽培において、土・作物・人が健やかな状態で、農業を続けていけることを最も大切にしています。
私たちが目指すのは、一時的な理想や、数値だけで管理された農業ではありません。
土地の個性や気候条件、その年ごとの自然の変化と向き合いながら、生産者が無理なく、誇りをもって栽培を続けられることを重視しています。
そのため、ちきゅうのうたげの農産物は、原則として無農薬・無化学肥料による栽培を基本とします。
これは、土壌環境を健やかに保ち、次の世代へと農地を引き継いでいくための、大切な考え方です。
一方で、農業は自然を相手にする営みであり、気候変動や病害虫の発生、地域特性などによって、理想だけでは乗り越えられない局面が生じることもあります。
そのような場合には、農業を永続的に続けていくためにやむを得ない判断として、必要最小限の資材使用を、生産者の判断で行うことを認めます。
重要なのは、資材を使ったかどうかではなく、
「なぜその判断が必要だったのか」
「作物や土への影響をどう考えているのか」
「今後、使用を減らしていく、または手放していく方向性があるのか」
こうした点を、生産者自身が自覚し、説明できることだと考えています。
生産者には、栽培の工夫や判断の背景、資材を使用した場合の状況などについて、報告と共有を大切にしていただくことをお願いしています。
私たちは、その報告をもとに、必要に応じて対話を重ね、より良い栽培のあり方をともに考え、育んでいく関係でありたいと考えています。
1 米・穀類の取扱基準
米や穀類は、日本の食と食料安全保障の基盤となる作物です。
そのため、ちきゅうのうたげでは、
生産者の高い自覚と判断を前提とした、より慎重な向き合い方を大切にしています。
基本方針
- 栽培期間中は、原則として農薬・化学肥料に頼らない栽培を基本とします
- 土壌の健全性と水環境を損なわないことを重視し、
土と水の状態を見極めながら、生産者自身の判断で栽培を行います
除草・防除について
- 除草については、手作業・機械除草・水管理など、物理的・環境的な手法を基本とした取り組みを重視します
- 病害虫対策についても、作物と環境の状態を見極めながら、農薬に依存しない方法を軸に考える姿勢を大切にします
やむを得ない状況への考え方
異常気象や大規模な病害の発生など、生産者自身が
「このままでは収穫や営農の継続が難しい」と判断する局面も起こり得ます。
そのような場合には、
生産者の判断と責任のもとで、必要最小限の対応を行うことを否定しません。
その際には、
判断の背景や使用内容について共有してもらい、
将来的に低減・不使用へ向かうための対話を、継続して行っていきます。
2 野菜の取扱基準
野菜は、地域差・品目差が大きく、
栽培条件も多様であることから、
現場の実情と生産者の判断を尊重することを基本とします。
基本方針
- 原則として、農薬・化学肥料に頼らない栽培を目指します。
- 土づくりを重視し、自然の循環を活かした栽培を、生産者自身の判断で行います。
除草・防除について
- 天然由来資材や物理防除(防虫ネット、手作業など)を軸に、農薬を前提としない栽培判断を大切にします
- 病害虫の多発や天候不順などにより、生産者自身が栽培の継続に支障があると判断した場合には、必要最小限の対応を、責任ある判断として行うことを尊重します
考え方
- 使用を前提としない
- 常用しない
- 将来的に減らしていく方向性を意識する
こうした姿勢を、生産者自身が持ち続けていることを大切にします。
3 果樹の取扱基準
果樹は多年作物であり、
一度樹を失うと回復に長い時間を要する作物です。
そのため、短期的な収量よりも、長期的な樹の健全性を重視します。
基本方針
- 原則として、農薬・化学肥料に頼らない栽培を目指します
- 土づくりを重視し、自然の循環を活かした栽培を
生産者自身の判断で行います
除草・防除について
- 剪定や風通しの改善、物理防除など、
樹の状態を整えることを中心とした判断を重視します - 病害虫の被害が、樹そのものの存続に関わると生産者が判断した場合には、
農業を続けるための最小限の対応を行う判断を尊重します
考え方
- 「今年の収量」よりも「10年後も実る樹」を重視する
- 使用の有無だけでなく、樹と土をどう守ろうとしているかという姿勢を大切にします
4 畜産(飼料作物・放牧を含む)の取扱基準
畜産は、命を預かり、育て、食へとつなぐ営みです。
そのため、現場で命と向き合う生産者の判断を何より重視します。
基本方針
- 飼料や飼育環境を含め、できる限り自然に近い循環を目指します
- 抗生物質や薬剤に過度に依存しない飼育を基本とします
やむを得ない状況への考え方
家畜の健康や命を守るために、
生産者および獣医師が必要と判断した処置については、
命を最優先とした判断として尊重します。
その場合も、
常用や予防的な使用に頼らず、
飼育環境や管理方法の改善を含めて、
より良いあり方をともに考えていく姿勢を大切にします。
基準の運用について
ちきゅうのうたげの農産物取扱基準は、「合格・不合格」を決めるためのものではありません。
生産者とともに、
「土をどう守るか」「農業をどう続けるか」「次の世代に何を残すか」
を考え続けるための、共通の土台です。
この基準は、現場の声とともに、今後も見直し、育てていきます。


